2011年03月27日
理性的に怖がる。~放射線被曝について~。
福島原発の事故が非常に懸念されます。
仕事柄、放射線を扱う者として何か伝える事があるだろうと日々感じていた。
ある時、妊娠可能な女性が腹部の不調を訴え
CTscanを施行したあとに妊娠している事がわかった事がある。
放射線被曝を受けた彼女は
胎児に影響はないのかと訴えた。
放射線被曝により人工堕胎を薦める線量は100ミリシーベルトといわれ
これは胎児に影響を及ぼす線量がこの量からと推定されているから
最近よく耳にする1回のCTscanの線量は6~10ミリシーベルトとの説明されており
医療被曝で人体への影響、特にお腹の赤ちゃんにはまずないと説明している。
でもこれらは全て外部被曝だけの話。
外部被曝の防御は線源から離れる事、遮蔽、暴露時間の短縮。
今、原発周囲に問題になっている被曝。
本当に怖いのは外部被曝ではなく内部被曝ではないか?
これには政府は全く説明がない。
枝野官房長官や原子力安全委員会、東電の広報担当の説明は
”
早急に人体に影響を及ぼすような線量ではない。”。。。?
そういう線量だったらパニックだろう。
放射線の怖さは電離作用により細胞内DNA破壊からくる発がん
これには長期的累積被曝線量が関与してくる。
放射線の種類と特徴には


内部被曝とは放射線微粒子を飲み込んだり、吸い込んだりして
体内にと取り込んでしまう事。
これらは体内に留まり
線質から外部被曝では問題とならないα線、β線を体内でガンガンに被曝を浴びる事になる。
それがひいては甲状腺癌、白血病へと発症していく。(チェルノブイル事故から)
1979年に炉心熔融をテーマにした映画チャイナシンドロームが上映されたがhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14640
それがマジに現実化をおびる?
又、偶然にもこの映画は3月16日に興行され
その2週間後にスリーマイル事後も生じている。
政府への憤りは留まる事をしらない。
それでも日本が復興することを強く願いたい。
さらに詳しく現実を知りたい方は
以下、矢ヶ崎氏(琉球大学名誉教授)のコメントから、出典不明。)---------------------
1. 放射線について
1)放射線の発射される源は2種類
炉心等にある燃料棒から発射される放射線と炉(1-3号機)と冷却プールから放出される放射性物質(微粒子等)から発射される放射線
(2)退避指示範囲については、燃料棒からの放射線を念頭に置けば、政府の退避指示範囲は妥当。等方的に薄まっていくと考えて正しい。しかし放射性物質から出る放射線については退避指示範囲は必ずしも、妥当だとは思えません。風の効果を考慮すべきです。
(3)原子力発電所では、半減期の長いものと気化しやすいものがたくさん放出されるようですが、セシウム137が検出されたというがありますので炉内で気化していた沃素だけでなく放射性元素の集合体である微粒子が放出されていると思います。
(4)微粒子について考察すると以下のような考察が成り立ちます。
①微粒子は非常にゆっくり落下するので風に乗ってずいぶん遠くまで運ばれます。仮定として放射性微粒子が20m上空に吹きあげられて、風速が4m/sとして、計算すると、飛ぶ距離は直径1μmならば300km、直径4μmならば、20kmまで届いています。実際は様々な大きさの粒子が混じっていますので、到達距離は重いものが先に落ちて軽いものほど遠くまで飛びます。気体の場合はもっと遠くまで運ばれるでしょう。
②風向きが一定である場合は風下に沿って帯状に汚染帯ができてこの帯状の範囲内では濃い放射性物質が空気中を漂うことになります。したがって30kmを円状に囲って屋内退避させている状況ではまともに被曝する恐れがあります。
③政府の指示は何10万という人が実施対象になるので、退避させるには大きな困難が伴うという実施上の困難がありますが、内部被曝を考慮して指示を出してほしいものです。
④福島原発の事故は現段階では、未だ、チェルノブイリの場合とは比較できない規模でありますが、チェルノブイリの場は、放射性降下物からを含む外部被曝だけを考慮すると2万人の被曝者がいるとされます。しかし、内部被曝を考慮すると被曝者は全世界にわたり、2万人の1万倍に当たる20億人規模(全地球規模)となります。
2. 厚生労働省は被曝(ひばく)する放射線量の限度を福島第1原子力発電所に限って250ミリシーベルトに引き上げたことについて。
(1)被曝線量評価は、外部被曝だけを考慮した場合、同一環境では被曝量は時間と比例します。内部被曝の場合は放射性物質が体内に留まるのですから現場から離れても被曝が持続することとなります。この被曝を考慮しなければなりません。
(2)基本的には、労働者が浴びる放射線量は現状にしたままで、労働者数を確保する。他の原発を停止してでも、そこの熟練労働者の協力を得る。 こういう際に安易に決死隊を作るという対応は最悪と思います。
(3)破局が進むと放射線被害は拡大します。最悪の場合は、内部被曝を考慮すると津波の犠牲者と同規模の犠牲者を出す恐れさえあります。そういう意味で何としても冷却を確保する作業が必要です。現場の労働者の皆さんはものすごく頑張っています。しかし、安全確保を現場の労働者の犠牲の上に確保しなければならないとしたら、政治の貧困そのものと理解します。炉心溶融やそれに対処する労働者の犠牲は「安全神話」の人災です。
(4)現実の破局がこのような形で進行し、その対応が事象がおこってから対応する形で進んでいる姿を見ると、まさに安全神話が虚構であったということを物語っています。テレビを見ていると、破局に向かう現象が起きてから「さあどうしよう」と対応を考えている姿です。まさに安全確保の上で、原子力推進者が何の予想も科学的にしていなかったことを物語っています。
(5)世界的に原子力発電所の事象評価が7段階ありますが、安全を確保しようとするならば、それぞれのレベルでどんな事象がおこって、どんな対応方法があるか? これをシミュレーションしていて、設備、機材、方法を確保するのがまじめなやり方です。安全神話の陰でこのような当たり前の備えがされていなかったのは大変な問題です。電気が止まり、その結果、冷却機能が電力でなされなくなった場合の指摘はすでにずいぶん前からなされていて、『想定外』では済まされないことです。そもそも、科学的にも技術的にも、現実対応の検討をなすべき事を、疑問提示者は邪魔者として扱い、「陣営対決」で、力で押し切ってきた原子力推進の姿があったとしたら、大問題です。科学的技術的検討課題を、虚構の安全神話の下に「力の対決」として処理してきたのではないかと危惧します。
3. 内部被ばくのメカニズム
(1)内部被曝は放射性物質を吸い込んだり、飲み込んだりして放射線が体内で発射されて、身体の内部で被曝することです。放射線が体外から飛んでくる場合は外部被曝と言います。
(2)被曝は外部・内部を問わず生物体に害を与えるメカニズムは、電離と言いますが、分子をつないでいる電子を吹き飛ばして、分子を切断することです。分子切断を行う度に放射線はエネルギーを失います。DNAを切断することが最も深刻な被害です。
(3)放射性の埃についてですが、原子炉から出る方射性物質は多種の原子からなります。アルファ線、ベータ線、ガンマ線を放出します。
(4)アルファ線、ベータ線は物質との相互作用が強いので、分子切断を密に行います。したがって短い距離で止まります。これに対してガンマ線は物質との相互作用が小さいので、分子切断を疎らに行います。この場合は切断された場所どうしは遠い距離になります。
(4)外部被曝の場合は主としてガンマ線です。身体の中で疎らに、分子切断を行い、エネルギーを余らせて体外へ抜けます。また、放射性物質が体外にありますので身体の方向に発射されたガンマ線だけ被曝に寄与します。
(5)内部被曝は全ての放射線が被曝に寄与し、同一微粒子からの外部被曝よりはるかに多くの被曝をさせます。放射性微粒子が体内にいる限り被曝を継続させます。また、密度の高い分子切断を行います。被曝の計測性と被曝の集中があります。
(6)被害として与えられる被曝量ですが、例えば、微粒子の平均半減期が50日程度ですと、100万分の1グラムという非常に少ない量が、体内に7日間いると1Syもの被曝線量があります。100万分の1グラムの埃は目には見えない小さなものです。
4. 内部被ばくのデータと関連する科学陣
(1)例えば、東北大学の瀬木医師の小児がんの死亡者の統計では、原爆を受けた後、日本の5歳から10歳の子どもの小児がん死亡者は5年後に3倍に上昇しています。1970年では何と7倍に至っています。地上核実験の放射性降下物による内部被曝が主と考えられます。
(2)チェルノブイリの事故では主として北日本に放射性微粒子が降り、10年後に乳がん死亡者が「10万人当たり10数人」増加しています。北日本だけの婦人の人口が2000万人としたらチェルノブイリの放射性降下物で命を落とした婦人が2000人です。がんで亡くなった方はチェルノブイリが原因とは決して追跡調査できません。
(3)アメリカでは、感染症でストレスを持っている人に対しては、放射性降下物は即効的に免疫力を低下させ、命を奪うデータがとられています。エイズ疾患では1986年の5月の死亡者は前年5月に死亡した数の2倍を記録しています。また年齢別統では、若いほど感受性が高く、25才―34才の年齢層は前年同月の20%増の死亡者を記録しています。
(4)今ほとんどの病院等で使われている放射線被曝評価基準は、国際放射線防護委員会の基準です。ICRPと略称します。
ヨーロッパで活躍する被曝リスクを検討している科学者グループである放射線リスク委員会の試算によれば、戦後6千500万人の放射線犠牲者が出ています。 これをICRPの基準に従って計算すれば、死亡者は117万人です。この違いは内部被曝を勘定に入れるか入れないかの差です。いかに内部被曝が無視されているか、多数の内部被曝による死者が隠されているかが分かります。
5. テレビの解説者や東電担当者等々はなぜ内部被ばくを具体的に語らないのでしょうか?
(1)端的に申しますと、内部被曝が隠されてきたからです。 戦後アメリカは核戦略を維持するために、「核兵器は通常兵器と同じで、破壊力は大きいが放射線で長期にわたって人々を苦しめることは無い」という虚構の世界を作ろうとしました。
(2)その手段は複合的で、3分野の科学操作によります。 第一は広島・長崎の被曝現場から、台風後の測定データを利用して、放射性降下物は無かったという科学操作を行いました(1986年の被曝線量評価体系:DS86)。 第2に原爆傷害研究所(ABCC―後に方影研)の被曝者の被害を統計処理により、内部被曝は無かったという基準でまとめるという操作をしました。
第3は、国際放射線防護委員会(ICRP)の被曝評価体系から内部被曝を排除しました。この内部被曝排除の物差しで内部被曝が見えなくさせられているのです。 最近、「隠された被曝」という単行本を新日本出版社から出版しました。ここに詳しい説明をしています。
(3)フロンガスの使用が国際的に禁止されたのが2002年です。フロンガスはオゾン層を破壊し、放射線を増加させ生物に被
曝の悪影響を与えます。また、温室効果があります。このときは、世界中の環境科学者が声をあげ、マスコミも取り上げ、政府も動き、国際的に禁止されました。しかし放射線被曝、特に内部被曝についてはそうは行っていません。きちんとした認識が必要です。 原爆症認定集団訴訟では第一陣の裁判では全て判決では内部被曝が被害を与えたということが認められました。しかし、放射線科学陣はそうは動いていません。これが大きな問題です。
6. 内部被ばくを防ぐためには
(1)大局的には、核兵器を廃絶することと、原子力発電をやめることが防止策です。
(2)原子力発電ではとくに、放射能漏れは常に「基準以下に希釈されているから人体には被害は無い」といつも言われていますが、これはウソです。内部被曝を認知していないのです。 福島原発破局で、現に進んでいる環境下での注意事項は、生活を維持する立場から、次のようなものが必要ではないかと思います。
① 屋内にできるだけ留まるようにする。屋外の空気は可能な限り屋内に入れない。ドアや窓は閉め、換気扇やエアコンは使わない。
②外に出るときはマスクをする。タオルで口鼻を覆う。水でぬらせば遮蔽効果は上がる。上着は埃の溜り難い、また埃をはたき落としやすい表面のすべすべしたものを利用できる限り利用する。帽子をかぶる。屋内に入るときは外套や靴や帽子などは、マスクを着けたまま埃を払い、ビニール袋に入れる。ビニルに入れたものは次に使う時に、ほこりを散らさないという注意を払って使う。外で顔や髪をはたく。その後マスクを取り、屋内に入りマスクを洗う。可能ならば、頭からシャワーを浴び、身体を洗う。
③放射能の埃は水分子を凝結し、雨を降らせる作用がある。雨や雪はできるだけ直接浴びないようにする。
7. 食べ物や水は安全か
(1)野菜等の汚染は葉の表面に放射能埃が付いていることと、根から放射能の微粒子が吸い上げられて野菜内部に入るレベルとふたつある。当面は表面についた埃を清浄化できるかどうかの段階で、野菜の内部を汚染しているのは未だ起こっていないと判断できると思う。ただこれについては専門家の判断が必要です。 食事に供するときは、薄い表面活性剤の入った水で洗い、その後水道水の流水でいつもより丁寧に洗浄する。
(2)水道水が汚染されている状態ならば、お手上げです。政府は避難命令を即刻出すべきです。
(3)政府は正しく認識し、正確な情報を早く流し、適切に対処すべきです。
こちらより転載
内部被曝は自ら守るしかない。
世界は日本を注目している。
がんばろう日本!
仕事柄、放射線を扱う者として何か伝える事があるだろうと日々感じていた。
ある時、妊娠可能な女性が腹部の不調を訴え
CTscanを施行したあとに妊娠している事がわかった事がある。
放射線被曝を受けた彼女は
胎児に影響はないのかと訴えた。
放射線被曝により人工堕胎を薦める線量は100ミリシーベルトといわれ
これは胎児に影響を及ぼす線量がこの量からと推定されているから
最近よく耳にする1回のCTscanの線量は6~10ミリシーベルトとの説明されており
医療被曝で人体への影響、特にお腹の赤ちゃんにはまずないと説明している。
でもこれらは全て外部被曝だけの話。
外部被曝の防御は線源から離れる事、遮蔽、暴露時間の短縮。
今、原発周囲に問題になっている被曝。
本当に怖いのは外部被曝ではなく内部被曝ではないか?
これには政府は全く説明がない。
枝野官房長官や原子力安全委員会、東電の広報担当の説明は
”
早急に人体に影響を及ぼすような線量ではない。”。。。?
そういう線量だったらパニックだろう。
放射線の怖さは電離作用により細胞内DNA破壊からくる発がん
これには長期的累積被曝線量が関与してくる。
放射線の種類と特徴には


内部被曝とは放射線微粒子を飲み込んだり、吸い込んだりして
体内にと取り込んでしまう事。
これらは体内に留まり
線質から外部被曝では問題とならないα線、β線を体内でガンガンに被曝を浴びる事になる。
それがひいては甲状腺癌、白血病へと発症していく。(チェルノブイル事故から)
1979年に炉心熔融をテーマにした映画チャイナシンドロームが上映されたがhttp://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14640
それがマジに現実化をおびる?
又、偶然にもこの映画は3月16日に興行され
その2週間後にスリーマイル事後も生じている。
政府への憤りは留まる事をしらない。
それでも日本が復興することを強く願いたい。
さらに詳しく現実を知りたい方は
以下、矢ヶ崎氏(琉球大学名誉教授)のコメントから、出典不明。)---------------------
1. 放射線について
1)放射線の発射される源は2種類
炉心等にある燃料棒から発射される放射線と炉(1-3号機)と冷却プールから放出される放射性物質(微粒子等)から発射される放射線
(2)退避指示範囲については、燃料棒からの放射線を念頭に置けば、政府の退避指示範囲は妥当。等方的に薄まっていくと考えて正しい。しかし放射性物質から出る放射線については退避指示範囲は必ずしも、妥当だとは思えません。風の効果を考慮すべきです。
(3)原子力発電所では、半減期の長いものと気化しやすいものがたくさん放出されるようですが、セシウム137が検出されたというがありますので炉内で気化していた沃素だけでなく放射性元素の集合体である微粒子が放出されていると思います。
(4)微粒子について考察すると以下のような考察が成り立ちます。
①微粒子は非常にゆっくり落下するので風に乗ってずいぶん遠くまで運ばれます。仮定として放射性微粒子が20m上空に吹きあげられて、風速が4m/sとして、計算すると、飛ぶ距離は直径1μmならば300km、直径4μmならば、20kmまで届いています。実際は様々な大きさの粒子が混じっていますので、到達距離は重いものが先に落ちて軽いものほど遠くまで飛びます。気体の場合はもっと遠くまで運ばれるでしょう。
②風向きが一定である場合は風下に沿って帯状に汚染帯ができてこの帯状の範囲内では濃い放射性物質が空気中を漂うことになります。したがって30kmを円状に囲って屋内退避させている状況ではまともに被曝する恐れがあります。
③政府の指示は何10万という人が実施対象になるので、退避させるには大きな困難が伴うという実施上の困難がありますが、内部被曝を考慮して指示を出してほしいものです。
④福島原発の事故は現段階では、未だ、チェルノブイリの場合とは比較できない規模でありますが、チェルノブイリの場は、放射性降下物からを含む外部被曝だけを考慮すると2万人の被曝者がいるとされます。しかし、内部被曝を考慮すると被曝者は全世界にわたり、2万人の1万倍に当たる20億人規模(全地球規模)となります。
2. 厚生労働省は被曝(ひばく)する放射線量の限度を福島第1原子力発電所に限って250ミリシーベルトに引き上げたことについて。
(1)被曝線量評価は、外部被曝だけを考慮した場合、同一環境では被曝量は時間と比例します。内部被曝の場合は放射性物質が体内に留まるのですから現場から離れても被曝が持続することとなります。この被曝を考慮しなければなりません。
(2)基本的には、労働者が浴びる放射線量は現状にしたままで、労働者数を確保する。他の原発を停止してでも、そこの熟練労働者の協力を得る。 こういう際に安易に決死隊を作るという対応は最悪と思います。
(3)破局が進むと放射線被害は拡大します。最悪の場合は、内部被曝を考慮すると津波の犠牲者と同規模の犠牲者を出す恐れさえあります。そういう意味で何としても冷却を確保する作業が必要です。現場の労働者の皆さんはものすごく頑張っています。しかし、安全確保を現場の労働者の犠牲の上に確保しなければならないとしたら、政治の貧困そのものと理解します。炉心溶融やそれに対処する労働者の犠牲は「安全神話」の人災です。
(4)現実の破局がこのような形で進行し、その対応が事象がおこってから対応する形で進んでいる姿を見ると、まさに安全神話が虚構であったということを物語っています。テレビを見ていると、破局に向かう現象が起きてから「さあどうしよう」と対応を考えている姿です。まさに安全確保の上で、原子力推進者が何の予想も科学的にしていなかったことを物語っています。
(5)世界的に原子力発電所の事象評価が7段階ありますが、安全を確保しようとするならば、それぞれのレベルでどんな事象がおこって、どんな対応方法があるか? これをシミュレーションしていて、設備、機材、方法を確保するのがまじめなやり方です。安全神話の陰でこのような当たり前の備えがされていなかったのは大変な問題です。電気が止まり、その結果、冷却機能が電力でなされなくなった場合の指摘はすでにずいぶん前からなされていて、『想定外』では済まされないことです。そもそも、科学的にも技術的にも、現実対応の検討をなすべき事を、疑問提示者は邪魔者として扱い、「陣営対決」で、力で押し切ってきた原子力推進の姿があったとしたら、大問題です。科学的技術的検討課題を、虚構の安全神話の下に「力の対決」として処理してきたのではないかと危惧します。
3. 内部被ばくのメカニズム
(1)内部被曝は放射性物質を吸い込んだり、飲み込んだりして放射線が体内で発射されて、身体の内部で被曝することです。放射線が体外から飛んでくる場合は外部被曝と言います。
(2)被曝は外部・内部を問わず生物体に害を与えるメカニズムは、電離と言いますが、分子をつないでいる電子を吹き飛ばして、分子を切断することです。分子切断を行う度に放射線はエネルギーを失います。DNAを切断することが最も深刻な被害です。
(3)放射性の埃についてですが、原子炉から出る方射性物質は多種の原子からなります。アルファ線、ベータ線、ガンマ線を放出します。
(4)アルファ線、ベータ線は物質との相互作用が強いので、分子切断を密に行います。したがって短い距離で止まります。これに対してガンマ線は物質との相互作用が小さいので、分子切断を疎らに行います。この場合は切断された場所どうしは遠い距離になります。
(4)外部被曝の場合は主としてガンマ線です。身体の中で疎らに、分子切断を行い、エネルギーを余らせて体外へ抜けます。また、放射性物質が体外にありますので身体の方向に発射されたガンマ線だけ被曝に寄与します。
(5)内部被曝は全ての放射線が被曝に寄与し、同一微粒子からの外部被曝よりはるかに多くの被曝をさせます。放射性微粒子が体内にいる限り被曝を継続させます。また、密度の高い分子切断を行います。被曝の計測性と被曝の集中があります。
(6)被害として与えられる被曝量ですが、例えば、微粒子の平均半減期が50日程度ですと、100万分の1グラムという非常に少ない量が、体内に7日間いると1Syもの被曝線量があります。100万分の1グラムの埃は目には見えない小さなものです。
4. 内部被ばくのデータと関連する科学陣
(1)例えば、東北大学の瀬木医師の小児がんの死亡者の統計では、原爆を受けた後、日本の5歳から10歳の子どもの小児がん死亡者は5年後に3倍に上昇しています。1970年では何と7倍に至っています。地上核実験の放射性降下物による内部被曝が主と考えられます。
(2)チェルノブイリの事故では主として北日本に放射性微粒子が降り、10年後に乳がん死亡者が「10万人当たり10数人」増加しています。北日本だけの婦人の人口が2000万人としたらチェルノブイリの放射性降下物で命を落とした婦人が2000人です。がんで亡くなった方はチェルノブイリが原因とは決して追跡調査できません。
(3)アメリカでは、感染症でストレスを持っている人に対しては、放射性降下物は即効的に免疫力を低下させ、命を奪うデータがとられています。エイズ疾患では1986年の5月の死亡者は前年5月に死亡した数の2倍を記録しています。また年齢別統では、若いほど感受性が高く、25才―34才の年齢層は前年同月の20%増の死亡者を記録しています。
(4)今ほとんどの病院等で使われている放射線被曝評価基準は、国際放射線防護委員会の基準です。ICRPと略称します。
ヨーロッパで活躍する被曝リスクを検討している科学者グループである放射線リスク委員会の試算によれば、戦後6千500万人の放射線犠牲者が出ています。 これをICRPの基準に従って計算すれば、死亡者は117万人です。この違いは内部被曝を勘定に入れるか入れないかの差です。いかに内部被曝が無視されているか、多数の内部被曝による死者が隠されているかが分かります。
5. テレビの解説者や東電担当者等々はなぜ内部被ばくを具体的に語らないのでしょうか?
(1)端的に申しますと、内部被曝が隠されてきたからです。 戦後アメリカは核戦略を維持するために、「核兵器は通常兵器と同じで、破壊力は大きいが放射線で長期にわたって人々を苦しめることは無い」という虚構の世界を作ろうとしました。
(2)その手段は複合的で、3分野の科学操作によります。 第一は広島・長崎の被曝現場から、台風後の測定データを利用して、放射性降下物は無かったという科学操作を行いました(1986年の被曝線量評価体系:DS86)。 第2に原爆傷害研究所(ABCC―後に方影研)の被曝者の被害を統計処理により、内部被曝は無かったという基準でまとめるという操作をしました。
第3は、国際放射線防護委員会(ICRP)の被曝評価体系から内部被曝を排除しました。この内部被曝排除の物差しで内部被曝が見えなくさせられているのです。 最近、「隠された被曝」という単行本を新日本出版社から出版しました。ここに詳しい説明をしています。
(3)フロンガスの使用が国際的に禁止されたのが2002年です。フロンガスはオゾン層を破壊し、放射線を増加させ生物に被
曝の悪影響を与えます。また、温室効果があります。このときは、世界中の環境科学者が声をあげ、マスコミも取り上げ、政府も動き、国際的に禁止されました。しかし放射線被曝、特に内部被曝についてはそうは行っていません。きちんとした認識が必要です。 原爆症認定集団訴訟では第一陣の裁判では全て判決では内部被曝が被害を与えたということが認められました。しかし、放射線科学陣はそうは動いていません。これが大きな問題です。
6. 内部被ばくを防ぐためには
(1)大局的には、核兵器を廃絶することと、原子力発電をやめることが防止策です。
(2)原子力発電ではとくに、放射能漏れは常に「基準以下に希釈されているから人体には被害は無い」といつも言われていますが、これはウソです。内部被曝を認知していないのです。 福島原発破局で、現に進んでいる環境下での注意事項は、生活を維持する立場から、次のようなものが必要ではないかと思います。
① 屋内にできるだけ留まるようにする。屋外の空気は可能な限り屋内に入れない。ドアや窓は閉め、換気扇やエアコンは使わない。
②外に出るときはマスクをする。タオルで口鼻を覆う。水でぬらせば遮蔽効果は上がる。上着は埃の溜り難い、また埃をはたき落としやすい表面のすべすべしたものを利用できる限り利用する。帽子をかぶる。屋内に入るときは外套や靴や帽子などは、マスクを着けたまま埃を払い、ビニール袋に入れる。ビニルに入れたものは次に使う時に、ほこりを散らさないという注意を払って使う。外で顔や髪をはたく。その後マスクを取り、屋内に入りマスクを洗う。可能ならば、頭からシャワーを浴び、身体を洗う。
③放射能の埃は水分子を凝結し、雨を降らせる作用がある。雨や雪はできるだけ直接浴びないようにする。
7. 食べ物や水は安全か
(1)野菜等の汚染は葉の表面に放射能埃が付いていることと、根から放射能の微粒子が吸い上げられて野菜内部に入るレベルとふたつある。当面は表面についた埃を清浄化できるかどうかの段階で、野菜の内部を汚染しているのは未だ起こっていないと判断できると思う。ただこれについては専門家の判断が必要です。 食事に供するときは、薄い表面活性剤の入った水で洗い、その後水道水の流水でいつもより丁寧に洗浄する。
(2)水道水が汚染されている状態ならば、お手上げです。政府は避難命令を即刻出すべきです。
(3)政府は正しく認識し、正確な情報を早く流し、適切に対処すべきです。
こちらより転載
内部被曝は自ら守るしかない。
世界は日本を注目している。
がんばろう日本!
Posted by グッシー at 00:42│Comments(3)
│その他
この記事へのコメント
グッシーさん
今回の地震は他人事じゃないですね。 放射能とメデイアは騒いでますが
素人からは 数字見せられても 分けわからんです。 一番は避難なんですかね?沖縄にも福島から 避難してる人はいますが 金銭的な面もあるし
今後地震の後の対策は 他人事じゃないですね。
沖縄でも 今回の地震のレベルは あり得るのでしょうか?昔 金武が津波で完全に流されたとも聞きましたが。
今回の地震は他人事じゃないですね。 放射能とメデイアは騒いでますが
素人からは 数字見せられても 分けわからんです。 一番は避難なんですかね?沖縄にも福島から 避難してる人はいますが 金銭的な面もあるし
今後地震の後の対策は 他人事じゃないですね。
沖縄でも 今回の地震のレベルは あり得るのでしょうか?昔 金武が津波で完全に流されたとも聞きましたが。
Posted by Sea~Bee at 2011年03月27日 18:08
Sea~Bee!
高濃度の線源から避難すれば良いのでしょうが
それが風や雨で広範囲に散布され
それを体内に取り込んでしまうことが危惧されます。
今日の1000ミリシーベルト以上なんてのは
もし7000ミリシーベルトの外部全身被曝では
人は間違いなく死亡します。
これが現場の作業員との情報共有不足とするのであれば
許されるものではありません。。。
沖縄にもフィリピンプレートが関与している可能性があり
人事ではないと思います。
高濃度の線源から避難すれば良いのでしょうが
それが風や雨で広範囲に散布され
それを体内に取り込んでしまうことが危惧されます。
今日の1000ミリシーベルト以上なんてのは
もし7000ミリシーベルトの外部全身被曝では
人は間違いなく死亡します。
これが現場の作業員との情報共有不足とするのであれば
許されるものではありません。。。
沖縄にもフィリピンプレートが関与している可能性があり
人事ではないと思います。
Posted by グッシー at 2011年03月27日 20:00
そうですね
単なる情報共有不足で 必死に現場で復旧作業してる人の立場になれば
洒落にならないですよね。命張ってますからね。
単なる情報共有不足で 必死に現場で復旧作業してる人の立場になれば
洒落にならないですよね。命張ってますからね。
Posted by Sea~Bee at 2011年03月27日 20:29